思い出しただけでもハートが爆発しそうである。
とにかくメモ程度に書く。
ジュンタロウは人混みが苦手だ。
暗黒の脈なし時代から「あんなとこ行く気なならんな」と、聞いてもいないのに夢と魔法の王国へのサツイめいたものを出してきたくらい苦手である。
そんなジュンタロウがこのたび、夜桜観察にデビューしたのだがそれはもう激混みスポットであった。
ジュンタロウの街は観光地、私の街はビジネス街なのでそれぞれ楽しみ方や遊び方が全く違うのだが「桜の綺麗な場所」というのは共通していて、今回の場合は「城」である。
ライトアップされてるらしいから行こうぜと急に話が降って湧いたのだが、そういう観光地やら映えスポットやらに誘うのは大体奴だ。
関係性の決定打に欠ける以外、奴は断じて受け身ではない。
これは本当に不思議だと心底思う。
私はいわゆる「人を誘えないタイプ」なので、非常に嬉しいのだが「自分が一方的だ」と相手に思われがちだ。
そうならないよう誘ってもらえたらノリノリで行くし、観光地の紹介は喜んでする。リサーチもかなりする方だ。
役割分担だと思うようにさせてもらっているが、いつか崩壊しそうだなとこの危うさを少し反省しているところだった。
そんな中で今回は「誘う」「見つける」「決める」を全てジュンタロウが行ったから少し面食らった。
そんなにやる気MAXで受け入れてもらってよいものかと、相変わらず謎に予防線を張ってしまうが相変わらずノリノリで向かったところこれである、激混みだ。
しかも夜桜、つまり夜だ。なにも対策をせず行くと間違いなく普通にはぐれる。
かつて、魚市場に行ったとき私は何の下心もなく奴の服の裾を掴んだ。
そのとき奴は放置した。
まあ今回もそうなるだろうなと思い、ただただ「やばいはぐれるわこれ」の気持ち一心で裾を掴んだら……というのが顛末だ。
すごく浅く繋いだと思う。力はほとんど入っていなかったように思う。
私はあまり、手を繋ぎたいと思うタイプではない。
というか相手に合わせる。
繋ぎたいと言われたら繋いだし、そういう雰囲気でないと思ったら繋がない。
しかし、相手はジュンタロウだ。
20年、頭から離れていない人物が手を繋いでいる。
この衝撃はちょっと、忘れられそうにない。
そのあとは、帰り道の同じようなところでまた繋がれた。
行きも帰りも人混みがなくなったところで離されたが、恥ずかしくなってしまいそれについては話題にすらできなかった。
4月も桜も大の苦手であったが、この記憶でさらに苦手な方へ転がらないのを祈る。
こうしていろいろ出掛けるたび「前妻と既にしたことや見たことがあることだろうな」とモヤッとすることがあるのだが、今回は「初めて来た」を連発していた。
初めてを共有できるのは素直に嬉しい。
これからも増えていければと思う。
槍玉に上げた夢と魔法の王国には来週行く。
最後の最後まで「本当に行くのか?」と頭を捻っていたが奴は本気らしい。
2024年4月、何か起こるんだろうか。こわい。