オタクのハートはもう限界だ

ねこ二匹と暮らすサッカー大好きおたく社会人の片思い※年下彼氏にクラスチェンジした!

荒療治

ジュンタロウと夢と魔法の王国へ行った。


結果だけ先に書くと、一日のスケジュールは超スムーズに進行したものの最後にトラブルがあった結果それがスパイスとなり、やることをやった。

 

「一体なんだったんだ…」と、今の時点でなんだか信じられないような気持ちになる、そんな旅行となった。

 

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出発前日に私の家に集合し(私の家が新幹線停車駅の近くなので誰と行くにしてもこの流れはよくある)揃って向かったのだが、合流した際は「告白されてからまだ一度も会ってない」という状態だったのでお互いが照れまくってしまい何もできなかった。


目すら合わなかったような気がする。


夢の国に行こう、と決まったのは先々月のことで、そのときはまだ私たちは「友達」であった。
だから行く前に「私らいったい何なんだよ」と少しは思ったのだが、私自身があの国を愛しているので「行けるならなんでもいいや」という気で紛らわせていた。


そんな中で迎えた今回の旅行である。


私の家に宿泊する際これまでジュンタロウはベット&私はソファという寝方をしていたのだが「もうええやろ」と勢いだけで同じベッドに入った。


というか私自身「旅行前日くらいベッドで寝かせてくれよ…」と半分は本気で思っていたのだ。流れはすごくナチュラルだったと思う。


ここでもまだお互い「照れ」があったように思う。
肩を並べて寝るだけの時間がかなり長かった。


私自身はというと、この時点でもなお「本当に私を彼女にするつもりなんだろうか」という疑いが捨てきれていなかったように思う。

 

こいつは本気なのか
何かの間違いじゃないか
期待したら傷つくんじゃないか

 

そう本気で考えていたから、隣というポジショニングを得ることができてもなにもできなかった。

 

真っ暗闇の狭いシングルベッドで続くこの膠着状態を破ったのは、ジュンタロウだった。

 

「触られたら寝られないとかない?」
「俺の弟がそういうタイプでさ」


そう言われて、それはないなあとぼんやり答えたらそのまま抱き枕のような状態になった。


思わず硬直してしまい、何もできなかった。
頭の中は「無」であった。


私はもともと寝相だとか寝息だとかいびきだとかそういったアクションがないタイプで、人に「寝姿」を見せたくもないタイプだから私の「寝ているイメージ」は誰も持っていない。


それがネタにもなっていたため、この日もジュンタロウが「本当に動かないなあ(笑)」とつぶやいたのだが、このとき私は「どうしたらいいのかな」で頭がいっぱいであった。

 

そして私の中で何が起きたのか「動くとしたらこんなかんじかなあ」とかほざきつつ、寝返りをうって向かい合うような状態になった。


するとそこからはスムーズだったように思う。
ジュンタロウが背中に手を回し…………そのあとは爆睡した。


そうだよ、明日から夢と魔法の王国なんだから寝なよ。


そう思いつつ、私が動かなくなった後、奴が私の頭や腰、背中といったところを撫でまわしていたのを私は知っている。


寝落ちたことにしておいたが、バッチリ起きていた。

 

 

この動きにどういう意図があってのものだったのかというのは、後になって本人から聞くことができたのだが下心的なものはなかったように思う。

 

なんでも、私自身の身体的な物理的なサイズ(低身長)に対して私がしている努力とか仕事とか責任とか…そういったものが大きすぎるように感じて、守りたくてたまらないと思ってくれていたらしい。


これが行動に出た結果だそうだ。


もったいないお言葉である。


話を聞くにジュンタロウの前妻は、奴が持つ男らしさや正義感、父性といったものから逃げたくなったんだろうなと感じていたのだが「なるほど、そういう想いは確かに強そうだな」と感じた一晩であった。

 


翌日は普通に起きて、普通に夢と魔法の王国を楽しんで、普通に面白い一日を終えた。


私はあのテーマパークのガチ勢…とまではいかないがライト勢よりはアツい程度のファンなのでアテンドはお手のものなのである。

 

最後の最後に電車が運休というトラブルに見舞われたが、ここで私とジュンタロウは初めて「事故や勢いではなく意図的に」という流れで手を繋いで歩いた。

 

パークからホテルまで、歩いたのは50分ほどだったろうか。


丸一日あのテーマパークで遊びつくし、雨も降っていたし寒かったし、最後の最後に運休ってなんだそれと言いながらガッシリと手を繋いで歩いた。


実は、パーク内にいる間は手を繋げなかった。
肩に触るとか引っ張るとかはあったが、やはり私たちは決定打に欠け続けるのだ。


友達歴が圧倒的に長い交際相手だ。
雨が降り、電車も止まり、似たような境遇の観光客が大勢いる中のうちの一組でしかない私たちは照れもあり、茶化すようなことも話した。

 

この温度差のようなものを奴がどう思っていたのかはわからないが、私は心地よかった。
忘れられない散歩道だったように思う。

 

ホテルに帰ってからは流れるように風呂を入れ布団に入ったが、相変わらず抱き枕になっただけでお互いがいつ寝たのかを把握できないくらいの寝つき方で寝た。

 


この「友達歴が圧倒的に長すぎて自分たちの扱いが自分達でもわからない」という関係に進展がある事件は翌朝に起こるわけだが、疲れたのでひとまず日記はここで終わる。