オタクのハートはもう限界だ

ねこ二匹と暮らすサッカー大好きおたく社会人の片思い※年下彼氏にクラスチェンジした!

スピリチュアルに縋る

私は恋愛が苦手過ぎて占いに頼ることがある。


仕事面では絶対に行かないし、運やら運命やらといったものに委ねるより「すべきことをするのみ」と自分自身の行動を最優先に考えるタイプの私だが、恋愛に関してはまったく自信が持てず「未来を見る」というより第三者目線の話を聞くということに近い。

 

「言う通りにしたらなんとかなりますか」「具体的に何をしたらうまくいきますか」というものでなく「ヒントをください」というニュアンスだ。

 

何しろオタクには恋バナができるような友達がいないのだ。※おそらく偶然だが、私の周りは結婚願望低めの人間しか集まっていない。偶然、あるいは類友である。

 

とにかく、それほどに恋愛が苦手である。当たる当たらないかはよくわからないが、縋るしかない。依存する芸能人がたまにニュースになるが、気持ちはよくわかる。

 

 


過去付き合った異性の中で「こいつはマジでクソの中のクソだった」と感じる男がいる。今でも許すことができないし生理的嫌悪がある。この男に似ている芸能人がテレビに出るだけで「おえっ」となる。

 

高身長で浮気はしない、金遣いも荒くない、愛情は注いでくれる、優しい……しかしこれ以外のすべてがダメだった。

 

すべてがダメ…けど「付き合っているというわけだから、私が受け入れるべきなのかもしれない」「注意したら直してくれるかも」という葛藤もあった。

 

そんなときに駆け込んだのが、駅の片隅で占い師の方がお粗末な椅子に座られており、占い業界ではおそらく破格ともいえる価格で稼働されているタイプの占いだ。

 

バーナム効果とかいろいろとあるとは思うが、ここで「わりと当たってるな」と感じた経験がいくつかある。

 

まず、このクソ男について。
「この人大丈夫ですか」と率直に聞いたのだが、そこで出たのは「義実家に使い倒される可能性」であった。

 

私は彼の口から聞いたことがあった。
「うちの祖父は、男は台所に立つべきでないと言う人間であった」
「元カノは義実家との交流に後ろ向きで、母親は“あんな女やめろ”と常々漏らすほど嫌った」

 

この2つの発言に、猛烈に嫌な予感がしたのだ。
私の母は嫁姑関係でメンタルを病み、未だ治療中だ。この手の話は私にとっては地雷なのだ。

 

さらに彼はここに、自分の話をこう繋げた。
「そんな祖父のもとで育ちながら、料理も掃除も全部する自分は優良物件だと友人に言われている」
「うちは古い家だから理解してほしい、きみは僕がしたいことを全部させてくれる、本当に嬉しい」


ダメだ、この人自体はすごく良い人かもしれないが家そのものがどうしても受け付けない可能性がある……

 

そう思いつつもほぼ情で付き合っていた自分のツボを突き刺すような占いであったことをよく覚えている。

 

「あなたにおんぶにだっこね」「彼はプライドが高いから、あなたはハイハイと言うことを聞いてあげる一方になる」の二言も衝撃であった。

 

というのもズバリその通りであったからだ。

何かを話しても「ふーん、ま、僕はそれよりすごい経験したけどね、タハー(こちらから聞くまで詳細を話さない)」と毎回返してくるような、中学生のような承認欲求の持ち主であった。


……という具合で、自分の直感に対して「こう思ってるんですけど」とヒントを貰いに行くイメージで占いを使っている。

 

だが今回のジュンタロウは違う。自分の直感がまったくない。

 

奴は何を考えている、どうしたい、どうなる、どうしたらいい……何一つ見当がつかない。

仕事でこんな状態になることはまずないのにと、情けない限りであった。

 

そしてたどり着く場末の占いで出る結果についてだが……実は占いは3人に計5回受けていて、後半3回は同じ結果が出ている。

毎度家路を歩きつつ、ふと気が向いて「占」の字に吸い寄せられ力なく「みてもらっていいですか…」とパイプ椅子に座った私を前に占い師は「あらあら…」と出迎えるわけだが、冗談抜きで毎回同じ結果が出る。

 

結果が結果だけに「あなたなんで占いなんて来たのw」という反応をされる場合もあった。

 


出る結果はいつも「世界」の「正位置」、つまり超絶良いカードである。

 

 

「問題は彼ではなくあなた、素直になりなさい」と話した占い師もいた。
「恋とかそういう次元じゃない、なんというのか……不思議な2人ですね」と話した占い師もいた。

 

そんな中、ジュンタロウとともに偶然立ち寄った神社で初詣をしたところ私は大吉を引いた。

奴は末吉であったが、私自身はなにやら良い風が吹く可能性の岐路に立っているのであろう。

 

 

と、思いたい。

 


結局、現実がすべてである。期待しすぎないよう、謙虚に過ごそうと思う。

マメで優しいことと脈

ジュンタロウはマメで優しい男だ。

だから脈ありと脈なしのラインが非常に曖昧だ。

 

「他の女の子と比べて」という比較ができれば1番いいのだがそもそもが遠距離だし共通の友人は男だらけ、しかも彼らも結婚後のジュンタロウとは「普段から密接に」という関係性でなかったらしいから探りようがない。

 

今、私という人間とどんな接触をしてくれているかという事実のみで判断するしかない。

 

 

先日初めて「そういうところが好きだよ」というメッセージが届いた。ちなみに「ストイックなところが」だそうだ。

 

 

 

( /////@////p////@////)

 

 

 

「ありがとー!」と返しておいたが内心穏やかではない。職場でトイレに行く途中に目にしたのだが「オッフ」のような声が出ていたと思う。

 

普段の会話の中で「そういうの良いな」「気が合うな」「同じだわー」という共感こそあれど、その同意や好意はなんらかのツールに対してだ。

物を大切にするだとか、アメカジ系の雑貨が好きだとか、そういう趣味嗜好についての「好き」という単語を使ったやりとりはもう数え切れないほどしている。

 

そんな中で明確に「私自身を模る要素の一つ」に対しての「好き」が初めて現れたのだ。「脈ありってやつでしょこれは!!!!」と顔が笑っていたと思う。マスクに感謝した。

 

ここで一つ、自分の中で片付いた後悔や葛藤がある。

 

20年前の私に言いたい、今のお前では奴に惚れてもらうのは間違いなく不可能だと、これを断言できるようになった気がするのだ。

 

先日の日記で「あの頃から脈らしきものがあった気がする〜♡」と書きはしたが、こういう脈を感じる愛情表現はまったくなかった。

趣味から自分のことまで、あのときもたくさんの話をしたがここまであからさまに好意を伝えてくるようなものはなかったし、どきどきするようなやり取りはなかった。

 

扱いは完全に「良い友達」枠のそれである。だからこそ私は「脈………………いや、脈なしかな」と感じたのだ。

 

そもそも、少なくとも当時の私は「ストイック」ではなかった。この理由で、彼に褒めてもらうことができる女ではなかった。

コスプレも絵も仕事も、実際にした努力以上のものを求めて常に不満を抱え、場合によっては攻撃に転ずる嫌な女であった。もし何か進展があったとしても、奴の言う「歴代クソ彼女」の一員に入っていた可能性が高いように思う。

 

会っていない10年の間に双方で何かがあり、私は人として成長し、奴の感性も変わり、そしてやっと凸凹が噛み合い始めているのであろう。

 

もうすぐ人生後半、私の今までなんだったんだという虚無感は否定できない。あと10年早ければと何度も思った。

しかしこの10年は、少なくとも私にとって必要であったのだと最近思う。

 

私が過去交際してきた彼氏と呼ばれる男性たちの中で「クソ」といまだに思っている人間は一人だけだ。あとは私を心から愛してくれていたように思うし、社会的な信頼を得、友人にも恵まれている立派な男性たちであった。

しかし私がそうなっておらず良さがまったくわからなかったし、相手を幸せにする度量は間違いなく備わっていなかった。

 

ジュンタロウとどうなるかはまだまったくわからないが、今来てくれたことを感謝する。

 

ちなみにジュンタロウが今見せている脈ありサインは、正直言うと数え切れないが個人的に嬉しかったのは

①顔を超見つめてくる、普通に話しているときはもちろん運転中も超見てくる

②手を触ってくる、超ナチュラルに触ってくるが違和感になってきている

③来年の話をしてくる、なぜ来年の私がフリーであることを確約しているのだろう

④私が「これ好きなんだよね」と話したアニメやドラマを全部見ている※アニメ話数は合計50話以上、ドラマはもっと多い

 

……………………人懐っこいとかマメとかそういうのでなく、本当に脈があると信じたい…………

 

反省ばかりの人生を送っているが

真夏の夜、限界オタクとその推しケイぴとの熱い夜を妨害した男は結局その日のうちに、私のアホのような話で呼吸困難になりつつ3時頃に眠りについた。


それが良かったのか悪かったのか、私にはわからないがジュンタロウの中では「現実を忘れられる時間」だったようだ。

この日以降たまに「通話いいですか」の連絡が来るようになった。


連絡を取り合って数日もすると、自分の生活のルーティンに奴がいることに慣れ始めた自分がいた。
LINEは一日に50往復はしただろうか。通話はほぼ毎日。まるでカップルである。


そんな生活をとりあえず3週間ほど送り、直に会うことになったのだがそれまでに私の中で彼への想いは……驚くほど育たなかった。


無理もない、だって話題のほとんどが「妻に捨てられた俺、何がいけなかったのかなトーク」なのだから。
今にも〇んでしまいそうな人間の話を聞きつつ自分以外の女の話をされて惚れるほど、私は器用ではない。


会ったこともない人間の話をするのはこれを最後にしたいが、ジュンタロウの妻は話を聞く限り最悪な女である。まるでドラマの悪役のような人間であった。
だから、ジュンタロウが自己嫌悪する意味が、そのときの私にはまったくわからなかった。


「私には解決できないな…」
そう判断するまではものすごく早かった。おそらく最初の通話の時点で判断できていたと思う。
だからとにかく「奴の自己肯定感を回復させる」というミッションを自分に課し、注力した。


「ジュンタロウは良くやった、悪くない、彼女はきっと救われたこともあったはずだ」
「他人同士なのだからどうしても合わないデコボコはある」
「良き夫であろうとしたことを、この少ない期間で私ですら知ることができる程度には全力であったから胸をはっていい」

 

この3つをループでひたすら聞かせ続けた。正直に言えば、ジュンタロウの話もループしていたから別にいいと思う。限界ギリギリの人間とは、おそらくこんなもんなのであろう。

 

しかしジュンタロウは私と話していて、呼吸困難になったり「顎が痛え」と呻くほど大笑いすることあっても泣くことはなかった。

 

悲しみを楽しさでごまかす、あの頃の私にはそれしかできなかったのだ。
無力をかみしめたが、これが自分の役割であると言い聞かせ、とにかく集中した。

 

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その中で生まれた私の疑問は「なぜ私が選ばれなかったのか」であった。
しかしこれの答えは明白で、すぐに答えは見つかった。出会った頃からジュンタロウと一番遊んでいた時期、私の人間性もまたクソであったのだ。

 

今だからこそ言えるが互いが20代になった頃、彼女いない期のジュンタロウから脈らしきものを感じたことはあった。


当時、通話料が無料になるピッチをお互いで持とうと提案され所持していた。
金がないはずの彼が、往復二万円以上かけてまで私の家に遊びに来ることもあった。
クリスマスを共に過ごしたこともあった。

 

体の関係こそこれを書いている今に至るまでまったくないのだが、「付き合う前の男女の雰囲気」は幾度ともなく体験していた。
そこまでされていてなぜと思う。私も思う。戻れるのならば戻りたい。戻って当時の自分に言いたい。

 

「本当に、本当に残念ながら、お前の人間性は本当にクソそのものだから、何も考えず目の前にいる人間を大事にしろ」
胸倉をつかんで言えたらどれだけいいだろうか。未だに思う。

 

これほどまで好意を向けられていながらなんと私はあの頃、コスプレに夢中だったためにプライベートの中で最も優先していたのがオタク活動だったからだ。

 

知らない方からしたらとんでもない世界であろうが、コスプレイベントというのは都市部であれば毎週末どこかしらで開催されている。
そんな中、当時のレイヤーのステータスは「大手と繋がっていること」「毎週イベント予定が詰まっていること」であった。


私はこれに夢中であり、土日のスケジュールは半年先まで埋まっていたのだ。これで育めるものといったら「衣装制作スキル」「写真撮影スキル」「節約スキル」くらいであろう。「恋」は間違いなく二の次だ。

 

それでも奴は距離を離すまいと努力をしてくれていたように思う。週に一度はスカイプをしてくれていたし、現状報告もしてくれていた。

 

書いていて悲しくなってきた。こんな女は、人間に愛情を注ぐことを喜びとするタイプの男性に選ばれるわけがないのだ。

私はジュンタロウが好きだった。しかし説得力があまりになさすぎる。やはり過去に戻ってぶん殴りたくてたまらない。


しかし、今の私が奴に繰り返し話していることがもうひとつある。

 

「あのとき失敗したと過去について思っても当時の最適解だったし全力だった、だから自分だけは自分の味方でいてほしいし、労ってあげていい」

 

これは私自身のキャリア構築において指針となっている考え方である。
私の仕事は形が残るタイプのものだが、早いときは完成後3日で自身の制作物に対して「なんでこんなもの作ったんだろう」と頭を抱える。
しかし過去を否定してばかりの生き方はあまりにデメリットが多かったからやめたのだ。

 

だから、今回もそうして自分の脳みそを処理した。

 

コスプレに夢中になったことで、確かに失ったものは大きかったと思う(ジュンタロウの当時の本心を聞いていないので真相は闇の中だが)

しかし私は商業レベルのカメラ技術を得たし、「ジャンルの切れ目は縁の切れ目」で切れないような生涯の友もコスプレで得た。
遠征のために旅行スキルも身についたし、女同士の人間関係についての経験値を積むことができた。
さらに言えば裁縫も得意だ。これは今も地味に役立っている。

 

なにより、この思い出たちは捨てがたいのだ。

本当に本当に楽しかったから。

そこで得た経験や友人、思い出に対しての後ろめたさはまったくない、人生の宝と言えるのだ。

 

きっとあのとき、自分のしたいことを優先できなかったら「あの頃は我慢が多かったな」と振り返るような人生になっていたのであろうと思う。誰かに対して「お前のせいで」と思った可能性もなくはない。そうすると、思考回路の基礎が「他責」となるクソ人間が見事に完成するわけだ。

 

………と、自分に必死に言い聞かせている。やっぱり殴りたい。

 

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ここまで細かく話してこそいないが、自分の過去の酸いも甘いも肯定しまくる私をジュンタロウは「衝撃」「カルチャーショック」と評した。

何が?というのは、後日の慰安旅行サッカー観戦編で明らかになってくるのでまた書きたいと思う。

そして今のジュンミソ

前情報とかことの発端を書いたので現状についても気持ちの整理整頓も兼ねて書く。

 

このブログを始めた理由は、自分には生きていることの履歴が全く残っていないのでそれを作るためが第一で、第二はジュンタロウ(もうすぐバツイチになる幼馴染)である。

 

今はおそらく両片思いとか友達以上恋人未満という状態で、周りから言わせれば「今が一番楽しい時期」とのこと………

 

いやいやいやいやそんなわけあるかあああああああオタクのハートはもうブロークンハート目前ですよコラアアアアアア

 

という毎日なので掃き出し場所が欲しかったがゆえのこのブログ…辛い…マジで辛い…限界突破だよ…

「私のこと好きなの?けど決定的なことは言わないよね、恋愛の話題は明らかに避けてるよね、はあ……」という生殺し状態もうやだああ勘弁してええ


なんでこうなっているかというと、私たちが今付き合うと不l倫カップルになってしまうからである。

既に向こうの婚姻関係は崩壊しているのが明らかであるとはいえ法律が立ちはだかる…というのが現状なので私の話には惚気に近いものがあるかもしれないが、ジュンタロウの離婚も私たちの関係も現在は「不成立」だ。


だけどこれはさああああああちょっとさあああああいわゆる脈ありってやつじゃないのおおおおーーーー!?!?!?!?!?!


というイベントが続出しているため、言ってしまえば20年近く欲しくて欲しくて欲しくて欲しくてたまらなかった奴からの愛情を持て余している可能性があり情緒が毎日爆発しているオタクが今の私である。


いちおう書いておくと、私は「彼氏いない歴=年齢」ではないし人並に大人な経験はある。
多くはないが彼氏は普通にいたし私自身が「結婚を考えない人とは付き合わない」というスタンスだったから、全員に対して本気であった。


そんな中でも私の中にずっと住んでいるというか、「付き合うことはなかったが忘れられない相手」という存在がジュンタロウであった。


出会って以降いろんなところで「奴の方がかっこいいな」「この人、奴の笑い声にそっくりだな」「奴は…」「奴」……というような思考が止まらずにいた。
挙句の果てにはたまに夢にまで出てきて「お前の好きな顔はこれなんだろ?」と潜在意識に問いかけてくるような存在だったのだ。

 

つまりはずっと好きだったのだろうと思う。

 

というこのキモイ歴が20年近く…だから「そんな奴からこんな、チェリまほの町l田〇太みたいな愛情表現をされるなんて夢にも思わんよ!!!!!!!」という状態に慌てふためいている。もうシングルコアの脳みそで処理ができない。好き。どうしよう。

 

再会直後は絶対向こうも無だった。それは間違いない。

交流再開から1か月、対面での再会後2週間くらいで向こうのテンションが明らかに変になったという体感がある。何か向こうの中でウルトラC的なのがあったらしいが、本気でなにがあった、男心が全然わからない。この辺の揺れ動きみたいなのもそのうち書きたい。

 

そしてなにがどうなってしまったのか、週末は通話をしながらサッカーを一緒に見ることになっている……しかも向こうからの誘いである……地上波で放映あったときは確かに一緒に見ていたが、今回はサッカーにミリほども興味なかった人間がわざわざサブスク登録してだぜ…意味わかんないじゃないですかやだー(※そのサブスクは月額がめっちゃ高い)


これで勘違いだったらあいつ魔性じゃん…?怖いじゃん…?という自己防衛反応から、何かあっても気付いてないふりを決め込んだりスルーしたりする自分が本当に情けない。

自分に自信がないんだろうなとは思う。


自分の運転免許のブスな顔写真を見ては「これを好くとかマジで美的感覚おかしいから、あり得ないから」と言い聞かせて期待をしないよう戒めつつ、けど話したり会ったりしたり、嬉しいことが起きたら素直になることが自分の課題かな……いや……無理でしょ…

ことのはじまり

前提として、ジュンタロウと私はジュンタロウの結婚により完全な絶交状態になっていた。


ジュンタロウの友人であるヒロキとはダイエット仲間かつオタク仲間として交流があったのだが、ヒロキも思うことがあってかジュンタロウの話題を出さなかった。

 

ジュンタロウは10年もの間、私の中で「もう2度と会うことはない人間」カテゴリの人であった。

コミネリサのMissing youという曲を聴いては「ああ、私にとってこの“もう会えないあなた”はこいつだな」と思い出すような、もはやキャラクターであった。


そんなジュンタロウから連絡が来たのは8月もあと数日で終わる、暑さが厳しい夜だった。

 

私はそのころ、某ジャンルの脇役(けどメインキャラでもある)であるケイくん(仮)に夢中でガチコ勢であった。(ちなみに今もである)
同担拒否のため同CPの友人こそいないがフォロワーが数千人、完全に調子に乗りつつ別のキャラ担の友人アミと毎日楽しくデュフデュフやっていた。

 

ということで、完全に別の男にうつつをぬかしていたときにLINEが鳴ったのだ。


当然のようにアミだと思っていたのだが、チラっと見えた名前に違和感を覚えつつ反射的に目を落としたチャット画面にはこうあった。

 


「〇〇(当時のハンドルネーム)です、おぼえてますか」

 

 

 

 

…………気のせい??

 

 


忘れるわけがない、しかし連絡が来るはずがない。

 

そんな相手からの着信通知を前に最初に思ったのが「気のせい?」、次に思ったのが「幻覚?」である。きれいなフォームで二度見をした。


未だ本人に言ってこそいないが、私が奴を忘れるわけがないのだ。

平静を装い、しかし私はケイぴに夢中であったためほぼ上の空で「覚えてるよ!久しぶり~!」と自然な返事をした……
※今思えば完全に自己防衛反応である


…というあんばいで10年ぶりのジュンタロウとの対話となっていたわけだが、奴が話した奴の近況はこうだ。
・離婚することになった、子供はいない
・写真を見返していたらミソノが出てきたから「どうしてるかな」と思って連絡した
・離婚を友人には話せていない(「タカアキ(ジュンタロウとヒロキの幼馴染)とか元気?よろしく言っておいて」と言ったら拒否されたので理由を聞いたらこうだった)
・もう自分でもよくわからない


奴の話には概要しかなく、まとまりなどはまったくない。
とにかく大ダメージを受けている様子がありありと伝わってきた。

 

そのときに聞きたくて、しかしいまだに聞けていない疑問がある。

 

「なんで私に連絡した??????」

 

ここはいずれ聞いてみたい。
だって、ジュンタロウには心の傷を癒してくれる相手の候補が大勢いるはずなのだ…

 

私が思うに、ジュンタロウの女を見る目は悲惨である。

 

本人がイケているというかカワイイ系?のタイプなのと人懐っこい性格なのとで非常にモテる印象は昔からあった。
直に会うことがなかなかできない距離感であったが、常に女の気配が漂う男であった。

 

しかし女を見る目は絶望的になかった。

メンヘラに惚れられては浮気されるタイプで、誰かと付き合っては別れ、付き合っては別れ…を少なくとも3回ほど見た気がする。

聞けば今回もその様子である。喉元まで「またか」という言葉が出た。

 

 

「だから、私を選んでいればよかったんだよ」

 

 

この言葉も飲み込みつつ、しかし私の脳みそは都合よくできているので「ジュンタロウのことは覚えているが、どんな人間であったか」というのは完全に記憶から抜けていた。血液型や誕生日すら忘れている始末である。

 

離婚は男性の寿命を10年縮めるという。そんな相手に、人間性や人格に関する記憶一切なしで関わるのは正直に言えばすごく怖かった。
「他の相談相手でなく、私だからこそできることは何か」
これは今も常に考えている基本姿勢だが、このときの自分の数々の判断が正解だったかどうか、いまだにわからない。


……というこれが、全てはここから始まった…の顛末である。


結局この日の私はケイぴの絵を描きたかったこともあり「とりあえず話そうか」と通話に切り替えたあと、笑わせ過ぎによって奴の顎を外すことになり、その後の交流の流れの本筋を作ってしまうことにもなったのだった。

 

ミソノとジュンタロウ

現在37、四十路も目前、人生も折り返し地点だろうか。独身である。

 

実は人並に結婚願望はあるし、子供はほしい。
しかし、人生を振り返っても「このタイミングなら家庭作りがスタートできた」というタイミングが一切ない生活を送っていたように思う。

 

~10才くらい:

もともと引っ込み思案だったがあるとき男子に「ブス!」と言われたのを皮切りに自信をなくす


10代:

見た目的な意味で青春を謳歌できないと思い込みスポーツに打ち込むもブスには拍車がかかる


20代:

初の自己実現を叶え必要以上の自信がつくも恋は空回り、惚れた相手にストーカー扱いを受ける奇行を繰り返した結果三次元世界を追われオタク世界に逃げる


30代:

ようやく掴んだ正社員かつ成功者としてのステータス、かつオタク趣味を謳歌できる財力と画力、遊ぶしかない


全体:おたく(コスプレから二次創作まで一通り網羅)

 

こんな状態で、今現在一人でいることは「ブス」と言われたことを起因とするトラウマが原因に見えるのだが結局は自分自身が原因である。
「自分の人生に自分以外は邪魔である」という考えに逃げ込んだのだ。それほど、私は「一人で人生を楽しむ術」を磨き上げてしまった。

 

とくに30代、ここだ。
好きな業界、誰もが知る業界内大手企業、社会貢献度の高さ……人気の高い華やかな仕事に就き、管理職にまで昇り詰めた自分への自己陶酔が尋常ではなかった。だって、それまでの人生が失敗だらけだったから。

 

しかもこのとき、私は絵が超上手くなっていた。どのくらいかと言うと、pixivで覇権ジャンルを投稿すると数日以内に4桁ブクマ獲得が確約される程度だ。
何を描いてももてはやされる、しかもたまに絵の仕事が来る。オタクとしては最強に楽しいステータスを得ていた。

 

ということでとにかく自信に満ち溢れ「この人生を邪魔する奴はいらねえー!」と豪語しつつ、仲の良い友人たちがたまに声を掛けてくれれば遊び惚けた。

 


そんな中で急にログインしてきたのが現在、バツイチになりかけの幼馴染である。

名をジュンタロウとする。こいつが今、私にとっての最大のトピックスだ。

 

ジュンタロウは私より2つ下、妹と同い年、出会い~交流最盛期は黒歴史の10~20代の頃。この辺りの私についての記憶は奴をぶん殴ってでも消したい。

 

ジュンタロウは10代の頃、ブログ文化が流行したころに知り合ったネット友達だ。
お互いがサイトを持っており、何かの拍子に繋がったのだが異様に仲が良くなり「友達を連れて遊びに行くぜ!」と私の住む町に奴がやってきたのが生身での交流のはじまりである。

 

そして私の恋の始まりでもある。

 

そう、実際に会ってみたジュンタロウはかっこよかったのだ……
どのくらいかというと…そのとき惚れていた相手(イケメン)がフワっとかすむくらい好みであったのだ…

 

とはいえ、ジュンタロウはそんなことを知らないので「気が合うネッ友のミソノお姉さん」くらいの感覚であったのだろう。
20年経った今、意味不明なことが起きているのだが当時の自分に「今おもろいことになってるぞ」と教えてやりたい。

 

ということで、墓まで持っていきたい私の備忘録を残しておくブログにする。
私には人生の記録らしい記録がないためそれを残す場にしたいという意味もある。


続くといいな